第4課 アハブとイザベル (2014.7.30)

1.偶像崇拝したアハブとイザベル

アハブは、オムリ王の後に続いて北イスラエルの第7代王に着き、22年間統治しました。聖書は、彼の業績を実に7章にかけて紹介しています。(Ⅰ列16:29~22:40)それほどアハブの悪行は、イスラエルの悪い王の中でも 指折り数えるほどでした。彼は、ヤロブアムが罪のうちを歩む以上に、神様の目に悪を行いました。(Ⅰ列16:30~31)しかし、アハブが統治していた時期は、北イスラエルがパレスチナ地域で最強者として君臨していた時代でした。アッシリヤがイスラエルをオムリの家と呼ぶほどに、イスラエルは周辺国家に脅威的な存在でした。アッシリヤの秘密文書には、アッシリヤ王シャルマヌエセル3世が西方遠征時代のシリヤ-パレスチナ連合国家の戦闘記録が出てきています。その時、アハブは最も多くの戦車と二番目に多い軍隊を率いて、連合国家に参加しました。それくらい、アハブはイスラエルを強大国の班列に置きました。また、アハブ時代には経済的な班列を成しました。Ⅰ列王記22章39節は、「アハブのその他の業績、彼の行ったすべてのこと、彼が建てた象牙の家、彼が建てたすべての町々、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか」と記されています。彼は、華麗な象牙製品を作り、宮殿を建設し、要塞を建てました。アハブがこのような物質的な豊かさを享受するようになったのには、フェニキアの港の都市の中の一つであるシドンと同盟を結んだからでした。シドンとツロは、地中海交易を通して富を享受していた都市国家でした。聖書は、幾度かの交易と富の代名詞として彼らにふれています。イザヤ23章2節は、「海辺の住民よ。黙せ。海を渡るシドンの商人はあなたを富ませていた」と記しており、エゼキエル27章3節は、「あなたはツロに言え。海の出入り口に住み、多くの島々の民と取り引きをする者よ。神である主はこう仰せられる。ツロよ。『私は全く美しい』とおまえは言った」と記しています。彼らは、地中海の地域で交易の中心の役割をしながら、富を作りました。アハブは、シドンのこのような特性を利用して彼らと同盟を結び、地中海交易に進み、富を創出しました。その同盟の一環として、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルと結婚しました。しかし、北イスラエルは政治的に安定を享受し、経済的な繁栄を享受できましたが、異邦宗教の影響も大きく受けました。イゼベルは、熱烈なバアル崇拝者でした。(Ⅱ列9:22)イゼベルの影響でアハブは、バアルのために祭壇を築き、アシェラ像を作りました。そして、国家政策の一つとしてバアルを崇拝しました。バアル崇拝がどれくらい激しかったのか、エリヤがカルメル山で対決していたバアルの預言者とアシェラの預言者は、それぞれ450人と400人にもなりました。(Ⅰ列18:19)イゼベルは、多くの主の預言者たちを殺しましたが、王宮をつかさどるオバデヤがかくまっていた預言者100人を除いて、イスラエルのほとんどの預言者を殺しました。(Ⅰ列18:4)このように、アハブの時のイスラエルは、偶像崇拝が極限に達しました。アハブは偶像崇拝だけでなく、神様の律法を無視して不法を行いました。その中の一つがイズレエル人ナボテのぶどう畑を奪った事件です。(Ⅰ列21:1~18)ナボテは、ぶどう畑を売るようにというアハブの提議に、「主によって、私には、ありえないことです。私の先祖のゆずりの地をあなたに与えるとは」(Ⅰ列21:3)と言って断固として断りました。レビ記25章23節は、「地は買い戻しの権利を放棄して、売ってはならない。地はわたしのものであるから。あなたがたはわたしのもとに居留している異国人である」と記されています。地は、神様に属したものであり、イスラエルの人々は永久に地を借りて使う人にしか過ぎませんでした。律法によれば、王も民の所有物を思い通りにできませんでした。それにもかかわらず、アハブは自分の欲を満たすために、ナボテに不当な要求をしました。アハブは自分の要求が受け入れられないと、王宮に帰って寝台に横になり、顔を背けて食事もしようとしませんでした。これを見たイゼベルは、二人のよこしまな者をやり、ナボテが神様と王を呪ったと証言させ、ナボテを石打ちにして殺しました。(Ⅰ列21:9~15)アハブはナボテが死ぬと、悠々とぶどう畑を占領しました。

2.アハブとイゼベルの最後

神様は、エリヤを通してアハブとイゼベルを裁くと告げられました。(Ⅰ列21:17~24)アハブが裁かれるようになった理由を、聖書は次のように記されています。
一番目、アハブは自分を売って、主・神様の目に悪を行いました。アハブがエリヤに、「あなたはまた、私を見つけたのか。わが敵よ」と言うと、エリヤは答えた。「あなたが裏切って主の目に悪を行ったので、私は見つけたのだ。」(Ⅰ列21:20)ぶどう畑を合法的に買えなかったアハブは、自分自身を不義に売り渡すことで悪を行いました。他人の財産に欲を生じたアハブは、自ら悪の道具になり、神様の目に悪を犯してしまったのでした。
二番目、アハブは神様を怒らせました。(Ⅰ列21:22)ナボテは、イゼベルの計略によって死にましたが、その責任はアハブにありました。表面では、アハブはただぶどう園を占領しただけでした。しかし、アハブはイゼベルに動機を提供して、彼女の計略を知りましたが、知らないふりをして、無念のナボテの死を黙認したままぶどう畑を占領しました。アハブは、巧妙に悪を犯しましたが、神様を騙すことはできませんでした。
三番目、アハブはイスラエルの民に罪を犯させました。(Ⅰ列21:22)イスラエルの王は、異邦の国の王とは違って神様の代理者であり、しもべに過ぎませんでした。ですから、申命記17章18節から19節は、「彼がその王国の王座に着くようになったなら、レビ人の祭司たちの前のものから、自分のために、このみおしえを書き写して、自分の手もとに置き、一生の間、これを読まなければならない。それは、彼の神、主を恐れ、このみおしえのすべてのことばとこれらのおきてとを守り行うことを学ぶためである」と記されています。王は、彼の民に律法を行うことの模範になると同時に、それを保障する人にならなければなりません。しかし、アハブはかえって自分が罪を犯しただけでなく、民に罪を犯させました。ヤコブ3章1節は、「私の兄弟たち。多くの者が教師になってはいけません。ご承知のように、私たち教師は、格別きびしいさばきを受けるのです」と記されています。指導者は、神様の裁きからもっと厳しい尺度によって裁かれます。彼らの言葉一言、行動一つは多くの人に影響を及ぼすからです。しかし、アハブは預言者を通して神様の裁きの御言葉を聞くと、謙遜に悔い改めました。Ⅰ列王記21章27節は、「アハブは、これらのことばを聞くとすぐ、自分の外套を裂き、身に荒布をまとい、断食をし、荒布を着て伏し、また、打ちしおれて歩いた」と記されています。すると、慈しみと憐れみが限りない神様は、彼に対する裁きを遅らせて下さいました。「あなたはアハブがわたしの前にへりくだっているのを見たか。彼がわたしの前にへりくだっているので、彼の生きている間は、わざわいを下さない。しかし、彼の子の時代に、彼の家にわざわいを下す」(Ⅰ列21:29)神様の御心に背いて、偶像崇拝を行う悪を犯したアハブに、裁きは当然なことでした。しかし、神様の究極的な御心は罪人が裁かれて滅びることではありません。神様は、罪人が悔い改めて、救われることを願われます。心から悔い改めたアハブを赦された神様は、私たちの神様でもあられます。私たちが心から悔い改めるのならば、神様の赦しと救いは、今日私たちにも臨むのです。しかし、アハブのへりくだった姿は、長く続きませんでした。彼は、在位中、アラムと三回にかけて戦争を繰り広げ、初めと二回目は勝利しましたが、(Ⅰ列20:1-21;22~30)三回目では、敗北しました。(Ⅰ列22:1~40)アラムの軍事力と比較して、相対的に劣勢で先頭に立った二回目の戦争でアハブが勝利できたのは、彼が神様が遣わされた預言者の指示に従い、(Ⅰ列20:13~15;20:22~25)神様だけを頼ったからでした。しかし、アハブは三回目の戦闘で、神様の預言者ミカヤの言葉を聞きませんでした。アハブは自分の軍事力を信じて、自分の判断に頼って戦争に出て行きました。結局、アハブは偶然に飛んできた敵軍の矢に当たって、最後を迎えました。(Ⅰ列22:34~35)アハブが死んだ事実を知ったイスラエルの民は、まるで羊飼いがいない羊のようにばらばらに散って、めいめい自分の町と国に帰りました。(Ⅰ列22:36)アハブは、サマリヤに葬られるようになりましたが、 彼が乗っていた戦車をサマリヤの池で洗う時、犬が彼の血をなめることで、ナボテのぶどう畑の事件の時にエリヤが語った預言(Ⅰ列21:19)と、アラムとの戦争に先立ってミカヤが語った預言(Ⅰ列22:17)がそのまま成し遂げられました。アハブのような悪人が死ぬことは、神様の慈しみと憐れみが足りないからではありません。彼は、神様の恵みを捨てて、自ら罪の中に陥って、裁きを招きました。続けられた神様の赦しと救いにもかかわらず、神様に立ち返らないで滅びました。アハブの妻イゼベルは、さらに惨めに死にました。アハブが死んだ後にも変わらず、イスラエルの民に邪悪な影響力を行使していたイゼベルは、ヤフーと宦官たちによって殺され、その死体は犬の餌になってしまいましたが、(Ⅱ列9:30~37)これは、エリヤの預言が成就された結果でした。(Ⅰ列21:23)偶像崇拝と悪を行っていたアハブとその妻イゼベルは、惨めな最後を迎えました。

◎聖書研究
1.北イスラエルの悪い王の中の一人としてシドンと結婚同盟を結び、偶像崇拝と虐政を行っていた王は誰ですか?(勉強する内容参照)
2.アハブが裁きを受けた理由は、何ですか?(勉強する内容)

◎交わりと適用
1.アハブとイゼベルの最後を見て、感じたことをお互いに話してみましょう。
2.あなたは、近い人々(配偶者、家族、友達、隣人など)に、どのような影響を与えていますか?